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【令和7年法改正】住宅の確認申請はこう変わった ― 「新2号建築物」と審査の長期化に備える

  • shota
  • 1 日前
  • 読了時間: 6分

はじめに

令和7年(2025年)4月1日、建築基準法と建築物省エネ法の改正が全面施行されました。今回の改正は、これまで「4号特例」によって審査が簡略化されていた木造2階建て住宅などにも、本格的な構造審査や省エネ審査が及ぶという、住宅設計の現場にとって非常に影響の大きい内容です。

「今まで通りのスケジュールで進めようとしたら、確認申請がなかなか下りない」「リフォームなのに確認申請が必要だと言われた」――こうした声を、施主様からも、また同業の工務店・ビルダーの皆様からも耳にする機会が増えています。

本記事では、今回の法改正のポイントを住宅の確認申請に絞って整理し、あわせて審査機関の混雑という"現場で起きている現実"についても解説します。



1. 何が変わったのか ― 「4号特例」の縮小

これまでの制度(旧4号建築物)

これまで、木造2階建て以下・延べ面積500㎡以下の住宅(いわゆる旧4号建築物)は、建築士が設計を行う場合、確認申請の際に構造関係の図書添付が免除されていました。これが「4号特例」と呼ばれる仕組みです。建築確認の法定審査期間も7日以内と短く、比較的スピーディーに手続きが進められていました。


改正後の制度(新2号・新3号建築物)

今回の改正により、旧4号建築物は「新2号建築物」と「新3号建築物」の2つに区分されることになりました。

これまで4号建築物に対し確認申請が不要となっていた大規模な修繕・模様替の工事においても、新2号建築物に該当するものは建築確認申請が必要となります。また4号特例の場合は建築士の設計であれば構造審査などが省略されていましたが、新2号建築物に該当するものはすべての項目の審査が行われることになり、同時に省エネ性能の審査も加わります。これは一般的な木造2階建ての戸建て住宅の多くが当てはまる変更であり、住宅設計に携わる事業者にとっては避けて通れないテーマです。

ポイントは次の3つに整理できます。

  • 構造関係規定等の審査が必須化:これまで省略されていた構造図書の審査が、木造2階建て住宅の標準的なケースでも必要になりました。

  • 省エネ関連規定の審査が新たに追加:新2号建築物に該当する建築物は、確認申請の際に構造関係規定等の図書に加えて、省エネ関連の図書が新たに必要となっています。

  • 大規模リフォーム・リノベーションも対象に:新築だけでなく、主要構造部に関わる大規模な修繕・模様替えを行う場合も、確認申請の対象に含まれるようになりました。



壁量基準・基礎の規定も見直し

構造関係では、これまでの「軽い屋根・重い屋根」という大まかな区分による必要壁量表が廃止され、建築物の荷重の実態に応じた算定式で必要壁量を算定する方式に変わりました。さらに、無筋コンクリート基礎の使用が認められなくなるなど、構造の安全性に関する基準そのものも見直されています。太陽光パネルの設置など住宅の重量化が進んでいる実情を踏まえた改正といえます。


2. 確認申請で実務的に変わること

設計者・施主の双方にとって、特に実感しやすい変化を整理します。


必要な書類が大幅に増える

新2号建築物に該当する住宅では、これまで省略できていた基礎伏図・各階床伏図・小屋伏図・軸組図などの構造図書を、原則として確認申請に添付する必要があります。国土交通省では、仕様規定の範囲で構造安全性を確認できる建築物について、仕様表等を用いることで一部の図書添付を省略できるよう合理化を図っており、追加で記載すべき情報を仕様表に一元化することで図書作成の負担をある程度抑える工夫もされています。とはいえ、これまでの「特例」を前提にした図書作成のフローからは大きく変わることになります。



完了検査・使用開始のタイミングにも影響

新2号建築物では、工事完了後に完了検査に合格し検査済証が交付されるまで建築物を使用してはならないという規定が明確化されました。これまで運用上ある程度の幅があった部分が厳格化されているため、引き渡しスケジュールの組み方にも注意が必要です。




3. 審査機関が込み合っている、というリアルな現状

法改正の影響は、制度上のルール変更だけでは終わりません。現場でいま起きているのが、審査機関の混雑による審査期間の長期化です。

法定審査期間そのものが、新2号建築物では従来の7日以内から35日以内へと、単純計算で5倍程度に延びています。これは審査項目が構造・省エネの両面で大幅に増えたことが理由ですが、それに加えて次のような事情も審査の遅れに拍車をかけています。

  • 審査側の体制整備が追いついていない:省エネ計算や新しい構造審査に不慣れな建築士・審査員が多く、申請件数自体は急増する一方で、審査をこなせる人員やノウハウの整備が後追いになっている地域があります。

  • 申請図書の不備・補正のやり直しが増えている:新しい審査項目に対応した図書作成に不慣れな設計事務所が多く、初回提出時の不備による補正のやり取りが増え、結果として審査機関側の処理がさらに滞留しています。

  • 省エネ適合性判定との並行作業が必要:確認申請と省エネ適判を別々のタイミングで進めてしまうと、片方の交付が遅れることでもう片方も止まってしまうという連鎖が起きやすくなっています。

実務上の感覚としては、確認申請を提出しても審査に入るまでの待ち時間がかかる場合がほとんどで、図書が整った比較的シンプルな案件でも住宅で1か月から2か月程度を要するケースも珍しくなくなってきています。法定審査期間の「35日以内」はあくまで上限であり、補正期間はこれに含まれないため、実際の手続き全体の所要期間はさらに延びる可能性があると考えておく必要があります。



4. 設計事務所として、施主様にお伝えしたいこと

今回の改正は、住宅の安全性や省エネ性能を高めるための前向きな見直しですが、その分、着工までのリードタイムが従来より確実に長くなるという現実を伴います。

「いつまでに着工したい」「この時期に引っ越したい」というご希望がある場合、これまでよりも早い段階からの準備が重要になります。具体的には、

  • プラン確定から確認申請提出までの期間を、これまでより長めに見込んでおく

  • 構造関係・省エネ関係の図書作成を後回しにせず、設計の初期段階から並行して進める


といった点を意識したスケジュール感が、今まで以上に大切になります。

私たち設計事務所としても、制度変更にしっかり対応できる体制を整えながら、お客様が安心して家づくりを進められるようサポートしてまいります。新築・リフォームをご検討中で、スケジュールや進め方に不安のある方は、できるだけ早い段階でのご相談をおすすめします。具体的な計画がまだ固まっていない段階でも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。



 
 
 

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aisho

Architects & Engineers,Inc.

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