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住宅の照明計画で失敗しないための5つの視点

  • shota
  • 7月18日
  • 読了時間: 4分

照明は、住宅設計の中でもっとも後回しにされやすい要素のひとつです。間取りや素材、家具にはこだわっても、「照明はとりあえずシーリングライトをつければいい」と考えてしまう方は少なくありません。

しかし実際に住み始めてから「部屋が思ったより暗い」「夜になると落ち着かない」「読書するには手元が暗い」といった声をよく耳にします。これは照明の"量"の問題ではなく、"計画の仕方"の問題であることがほとんどです。

今回は、住宅設計の現場で私たちが大切にしている、照明計画の5つの視点をご紹介します。


1. 「部屋」で考えず「行為」で考える

照明計画でもっとも多い失敗は、部屋単位で明るさを決めてしまうことです。「リビングだから明るく」「寝室だから暗めに」という発想だけでは、実際の暮らしには合いません。

同じリビングでも、ソファでくつろぐ時間と、テーブルで作業をする時間、来客を迎える時間では、必要な明るさも光の方向も違います。大切なのは「その場所で何をするか」という行為単位で光を考えることです。

  • 読書や勉強:手元に十分な光量があるか

  • 料理:作業面に影が落ちないか

  • くつろぐ時間:顔や空間全体がやわらかく照らされているか

部屋名ではなく行為のリストをつくることが、照明計画の出発点になります。


2. ひとつの照明に頼らず「層」で光をつくる

天井の中央にシーリングライトを一つ、という計画は、効率はよいものの空間に表情が出にくく、明るさの調整もききません。

私たちが提案するのは「多灯分散」という考え方です。天井の全般照明(ベース照明)、手元を照らす照明(タスク照明)、壁や絵を照らす照明(アクセント照明)を組み合わせることで、明るさに奥行きが生まれ、必要な場所だけを照らす省エネな暮らしにもつながります。

照明を一つの強い光源に頼らず、複数の小さな光を重ねていくことが、空間の質を大きく左右します。


3. 光の色(色温度)を生活シーンに合わせる

照明には明るさ(照度)だけでなく、光の色(色温度)という要素があります。色温度は「ケルビン(K)」という単位で表され、数値が低いほど暖かみのある赤みを帯びた光に、高いほど青白い光になります。

  • 暖かい光(2700K前後):リビングや寝室など、くつろぐ場所に向いています

  • 中間の白い光(4000K前後):キッチンや洗面など、作業性を重視する場所に向いています

  • 涼しい白い光(5000K以上):事務的な作業空間に向いていますが、住宅全体に使うと落ち着きにくくなります

家全体を同じ色温度で統一してしまうと、生活のリズムに合わない空間になりがちです。場所と時間帯に応じて光色を変えることで、暮らしの中に自然な切り替わりが生まれます。


4. 「眩しさ」と「明るさのムラ」を建築と一緒に検討する

照明は単体で考えるものではなく、天井の高さ、壁の素材、窓からの自然光と合わせて検討するべきものです。

特に注意したいのが「グレア」と呼ばれる眩しさの問題です。ダウンライトの位置がソファやベッドの目線に近いと、寝転んだときに光源が直接目に入り、不快感につながります。また、壁や天井の素材によって光の反射の仕方も変わるため、同じ照明でも仕上げ材次第で印象は大きく変わります。

照明計画は内装が決まってから検討するのではなく、設計の初期段階から建築と並行して進めることで、後から「眩しい」「暗い場所がある」といった失敗を防ぐことができます。


5. 将来の暮らしの変化とメンテナンス性を見据える

照明計画は、今の暮らしだけでなく、数年後、十数年後の暮らしの変化も見据えて考える必要があります。

  • 子どもの成長に合わせて、勉強する場所や明るさの必要な場所が変わる

  • 加齢によって、必要な照度や眩しさへの感じ方が変わる

  • LED電球の交換や、高所の照明のメンテナンスがしやすいか

照明は一度つけてしまうと配線を変更するのに大きな工事が必要になることが多いため、計画段階で「将来も使い続けられるか」を確認しておくことが、長く快適に住み続けるための鍵になります。


まとめ

照明計画は、部屋を明るくするための作業ではなく、暮らし方そのものを設計する作業です。

  1. 部屋ではなく行為で考える

  2. 一つの光源に頼らず層で光をつくる

  3. 光の色を生活シーンに合わせる

  4. 眩しさとムラを建築と一緒に検討する

  5. 将来の暮らしの変化を見据える

これらの視点を踏まえることで、「明るいけれど落ち着かない」「暗いけれど眩しい」といった矛盾のない、暮らしに寄り添った照明計画が実現します。

照明計画でお悩みの方は、ぜひ設計の早い段階からご相談ください。建築と一体となった照明提案で、暮らしにふさわしい光をご提案します。

 
 
 

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K

aisho

Architects & Engineers,Inc.

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